【バサラ・ブックスレポ】赤い花・信号
こちらの看板。このお店でバサラ度高いタイトルの本を一冊買ってみようぜ!ある訳ないやろ!というノリで店内をフラフラ見回した。あった。
- 作者: ガルシン,小沼文彦
- 出版社/メーカー: 旺文社
- 発売日: 1968/01
- メディア: 文庫
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奇跡かな?誰が何と言おうともう完全に「バサラ・ブック」ですね?読むと分かりますがこの「信号」とは赤信号の事でしたKISEKI。時代背景は19世紀末のロシアのお話だけど意味もちゃんと「停止信号」。でも彼が嫌った「赤信号」のちょっと違った側面が見えてきそうですよ。
※注意※
【バサラ・ブックスレポ】はあくまでデュエマ好きさんに向けて書いたレポです。マトモな感想も【読書感想】に置いてるんで怒らないでね。
結論から言っちゃうとバサラ度高すぎて次回やりたくないくらい「バサラ・ブック」でした。
読み進めると腐り切った世界を前に「正義とは何か?善とは何か?生きるとは何か?勝利とは何か?愛とは何か?」と苦しむ若者の苦悩や自由への渇望なんかが鮮やかに書かれてました。
それもその筈。この作者ガルシンの生きた時代はドンピシャのナロードニキ運動終焉の時代。なんか世界史でサラッとやるあれね。私もサラッと習ったレベルだけどあれだあれ世界が腐り切ってるから頭いい人達が人道活動してみたけど頭いい人達が故に世界は糞過ぎて自分達じゃどうしようもないって自己解決しちゃって勝手に終息した運動とかいうバサラ度高いあれ(?)。
中身は5編からなる短編集。破滅のシナリオ、正義の勝利、届かない想いと結末は様々ですが絶望の時代を生きた頭のいい作家から溢れる人間愛の追求が深く心を打たれるまさに「バサラ・ブック」の第一弾を飾るに相応しい、いやもうこれがザ・「バサラ・ブック」でいいよってくらい人間愛溢れるバサラ度の高い一冊でした。No.2は草。あとオーナーは糞。
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ナロードなんたらがどうのって難しそうな内容だけどかなり読みやすいのも特徴。この本の解説に何度も何度も「日本人ってロシア文学に理解度高くて読みやすいって思ってる人種だよね」って書かれてたくらいには読みやすいし更にこれ短編集の上解説省けば250pくらいですよ!最後のお話が100p超えでちょっと長いですけどね。
描写も鮮やかでとても美しいです。「人間愛」という不変の真理がテーマに生きた作家なのも読みやすさをアシストしてくれてるかな?何たってバサラ度が高いからね!
真面目な話。バサラ云々を置いといて私が涙を流したくらい人間愛を追求した美しい一冊でした。是非。
好き家