Dヲタからのキングダムハーツ3D解説(ファンタジア)
KH3Dで大本命のワールドをプレイ中にひっくり返るくらい衝撃の場面に遭遇したのですが、
いやこれ滅茶苦茶感動するしあまりにも感慨深いけどDヲタしか気付かねーよ!!!!って感じだったので、そういう事ならどうしてもやり直したい事があったので
このファンタジアのワールドだけやり直しプレイ敢行ついでに改めて解説記事書いてみました。
因みに今回の話には関係ないので魔法使いの弟子の話は一切しません。あらすじは大体一緒だしミッキーとの絡みはプレイした各個人の感想の領域なので解説いらんやろ。
まずはソラ編。
という会話の後、闇を払う音の力を手に入れる為に楽譜の世界に飛び込みます。ソラ編では田園交響曲の楽譜の世界を探索します。
マップの最奥地で闇を払う音の力を手に入れました。
するとそこに謎の男が現れて意味深な会話を交わします。その後ブラックアウトして元の場所にワープします。今度は魔法使いの弟子の楽譜で魔物と戦い、寝落ちしたミッキーを起こしてクリアです。
続いてリク編。
というイベントを経てくるみ割り人形の楽譜の世界に入ります。因みにくるみ割り人形はクリスマスが舞台の作品。ディズニーキャラ史上初かもしれないサンタさんなんか居ない宣言をした男をそんな世界にぶち込むという知ってる人なら割と衝撃の絵面になってます。最高ですね。
最奥地で闇を払う音の力を手に入れました。
すると何故か世界が暗転。禿山の一夜の世界に移動します。
という会話の後、無印にもいたファンタジアに登場する魔王と戦います。
倒すとホワイトアウトして楽譜の外へワープします。手に入れた闇を払う音の力を使って寝落ちして起きられなくなったミッキーを解放します。
というのがリク編のおはなし。
ここまでがキングダムハーツの内容ですね。ではここからはDヲタからの解説。
まず、このワールドソラ編とリク編の最大の違いはマップの進行方向です。楽曲のチョイスじゃないよ。
実はソラ編は作品の内容を逆走してます。
まず虹が出てます。田園のクライマックスに当たる場面です。
マップ移動すると雷雲があります。
逆走してますね。虹の後に雷雲が出てくるのは普通に違和感がある順番なので映画を観てない方でも指摘されれば進行方向がおかしいという感覚は掴めるかと思います。
又道中前半に盃から湧くワインと葡萄を踏んでワインを作っている桶が出てきますので、そちらでも時系列の逆転が確認出来ます。これまでのソラ編のマップがやたらホラー度高かったのもあって虹のエリア見て今回は怖くないやったー!しながらマップ進めてこれを見た時はすごい困惑したのを覚えてます。今回のソラさん人骨の山を思いっきり蹴るからな!
という進行だとわかった状態で見てみると、途中のこれはソラが一瞬で雨を晴らしたではなく単純に時間が逆行しているという事になります。
田園の正しい時系列は「晴れ→嵐→雨上がりの虹」。見事に逆になってますね。つまりソラは楽譜が読めないって事なのでしょうか。ここまで時系列真反対に逆走するのは逆に難しい気もしますが。
ソラ編のマップの最奥は、太陽があります。「マップの最奥には太陽がある」はまた出てきますので覚えといて下さい。
ではリク編の方の解説。ソラ編と最大の違いはマップの進行方向と前述した通り、ちゃんとした時系列順で楽譜の世界を進めていきます。
ではまず大前提のお話、ファンタジアという映画は「夜明け」で終わります。
はいこれが今回の記事の結論です。解説おしまい!
......ちゃんと全部解説しますね。
まず訪れるくるみ割り人形の作品世界ではソラ編と違い原作通りの道順でリク編は進んでいる事が描写されます。
作品のあらすじとしては季節の移り変わりは妖精の仕業。季節を変える妖精達を主観に様々な動植物達を巻き込みながら世界が秋から冬に様変わりしていきます。くるみ割り人形はバレエ組曲でコンペイトウの踊り、中国の踊り、葦笛の踊り、アラビアの踊り、韃靼人の踊り、花のワルツが使用され曲毎に場面が大きく転換していきます。
ゲーム内のエリアとしては3マップですが、上記の内一番最初と最後の楽曲であるコンペイトウの踊りと花のワルツの場面が使用されてます。
スタートにあるリアリティシフトは作品の冒頭、コンペイトウの踊りの楽曲で妖精が花を開かせるシーンの再現です。つまりリクは楽譜が読める!
ソラ編にはなかった登場人物がマップ内にいるのもリク編の特徴です。リクは妖精を演じている、という事でしょうか。
マップ移動し、次の2マップは花のワルツのエリアになります。
これは映画でも印象的な場面の再現ですね。
ソラ編と違ってしっかり原作を再現したリアリティシフトです。リク君が妖精になってる〜!とテンションぶち上がります。
実はこれも嬉しい原作再現。リク君すっかり妖精です。
このマップでは湖を凍らせるリアリティシフトは2箇所ありますが、雪の結晶が舞うのは最奥のものだけになります。これは作品のクライマックスが雪の結晶の舞だからです。これも原作再現なんですね。
と、ここまでのルートでスタートからクライマックスまでリクは丁寧に楽譜を読み進めている事がわかります。原作再現度がかなり高く、道中困惑する事もなく進められたので個人的にもマップ探索はリク編の方がテンション高かったです。でもBGMの順番が滅茶苦茶なのは内緒の話。
兎に角このくるみ割り人形のパートの探索を通して「リク編は楽譜通りの進行である」と強く意識させられます。
そしてここで場面転換します。
リク編のボス戦はチェルナボーグです。こちらも「リクは楽譜通りの進行である」を意識してみていきましょう。
こいつが登場するのはくるみ割り人形ではなく、映画の一番最後の作品です。
ここまで楽曲じゃなくて作品って言い方してきましたが、実はこのチェルナボーグが登場する作品は二つの楽曲を合わせたものになります。チェルナボーグは前半の楽曲(ボス戦で流れている禿山の一夜)のシーンに登場します。もう一つの楽曲はアヴェマリアです。
ファンタジアでは禿山の一夜とアヴェマリアで1セットの作品なのです。映画内でしっかり相反するその二つの楽曲を組み合わせて一つの作品にしてみたよ、という作品解説が手前にありますので観てみて下さい。
そしてその二つの楽曲の溶接に使われるのが教会の鐘です。進行としては「禿山の一夜→教会の鐘→アヴェマリア」となります。
リクはこれを楽譜通りに進めるという視点で見るとどうなるか、という事です。
アヴェマリア?ゲーム内ではそんな場面微塵もなかったよね?さっきから言ってるじゃないですか。闇を払う音の力ですよ。
チェルナボーグを倒すとすぐに楽譜の外へ場面転換しますが、リク自身が闇を払う音の力を備えてるとなると話は変わってきます。そう、リク=アヴェマリアなんです!リクは音の力を手に入れてからチェルナボーグに挑んでますしね。
ではアヴェマリアがファンタジア内で一体どういう使われ方をしている楽曲なのか、禿山の一夜とのあらすじを起こしてみます。
真夜中、山の頂上にいる悪鬼チェルナボーグが亡者の世界を築く(禿山の一夜)
日の出を告げる鐘の音と共に亡者達は眠りにつく(教会の鐘)
時を同じく出発した巡礼者達を朝焼けが照らす(アヴェマリア)
物語のストーリーとしてはどんな闇でも必ず朝が訪れる、という様な内容です。何処かで聞いたことあるテーマですね。
そしてこのアヴェマリアが流れる中太陽が登ったところでこの作品、いやファンタジアという映画は厳かに幕を閉じます。
禿山の一夜と教会の鐘とアヴェマリアはセットじゃないといけない!というのはこういう理由ですね。ストレートに光と闇の関係を扱っている作品ならば余計意識が向かうところです。
ある意味、ディズニー側の光と闇の対立というテーマの回答として以後のエンターテイメント作品にも深く関わってくる事になります。
実は気持ち悪い事にこのゲームには出典が違うけど全く同じモチーフのキーブレードが存在してます。
これです。見事に教会の鐘がモチーフすね。
映画だとこの言葉はかなり重要な設定であり、ゲーム内でも軽く触れられてます。
つまりこの武器のモチーフは大変宗教的なモチーフになります。
闇を払う音の力を手に入れたリク君、これを装備してボス戦に挑むとどうなるかというとリクは楽譜通りの進行をしてますので、
俺自身が夜明けになる事だ。
ってなる訳です。
これをね、やり直したかったんですよ。。。。!(初見は普通にその時の最強装備してた)
という話をした上でもう一度この台詞見てみましょうか。
勿論この台詞は諸々経験して今は光の立場で親友と一緒にマスター承認試験を受けているとかそんな意味合いですが、実はこのロケーション自体がディズニー映画史上最も象徴的な夜明けへの道なのでWミーニングになってるんです。
そんなこれ以上ないすごい大一番のロケーションでこんな発言してゼアノートに闇への耐性が出来たと見切り付けられてたんですよ彼実は。すごくない?このイベントすごくない????
リクもゼアノートもこの場所が実は作品のクライマックスへ向けてのスタート地点であり、闇の深淵ではない事にもしかしたら気付いてるかもしれませんね。
しかしゼアノートは深淵は近いと言ってその場を去ります。
ここでソラ編を見てみましょう。
先程はわざと説明を省いたのですが、田園のスタートは日の出です。
「晴れ→嵐→虹」といいましたが正しくは「日の出→晴れ→嵐→虹」です。
あのマップ最奥にある太陽は唯「晴れ」を意味をするのではなく、夜が明けた事を意味してるのです。言われてみれば太陽の位置がかなり低いです。
ゲーム内に描写はありませんでしたが田園にはギリシャ神話モチーフとして様々なキャラクターが登場します。ゼウスや虹の女神といった天変地異を司るキャラクターとペガサス人馬等それに巻き込まれるキャラクターの大きく二つに分かれます。神様とそれ以外という分け方も可能ですが、バッカスって奴がいてだな。
季節を変える妖精が主観だったくるみ割り人形とは逆に巻き込まれる側を主観に物語が展開されていきますので、そちらの時系列を書き起こすと「目覚め→活動(お酒作りとか恋愛とか)→停滞(雨宿り)→祝宴」になります。
......何だかソラ編のマップがホラーじみて来ましたたね。映画知ってる人間、めっちゃ怖かったんだよここのマップ。
クライマックスではなくスタート地点へ向かってる以上楽譜のこの先は当然余韻すら無い「無」な訳ですから夜、或いは生命が眠りにつく闇の深淵に向かっている、となってる訳ですね。だから狙いは何だ?と訊くリクに向かって(ソラの)深淵は近いと言ってるんです。つまりゼアノートも楽譜が読める!
まぁ、ファンタジアという映画で括れば田園は最後の方の作品なのでその前にはまだ作品はあるのですが。それこそくるみ割り人形→魔法使いの弟子→田園の順番ですしね。
そう、滅茶苦茶とも取れるリク=アヴェマリア論はこの逆走するソラとマップ最奥の太陽で説明が着くんです。狙ったかのように進行が対極になってるんです。
この後明かされる真実で、夢の世界最終面という事もあってこの対極の結末がどこか意味深くもありますが。そこはゲームをプレイした各個人の考察領域なのでDヲタ視点のヒントだけに留めて敢えてここでは触れません。
それはそれとして。夜明けの道を選んで進んで今までずっと頑張ってきたあのリクが、あのファンタジアの、あの夜明けになった!となるとあの情景を思い浮かべたDヲタは感無量な訳ですよ。少なくともあの夜明けへと向かう場所に立っている事は事実です。ファンタジアという伝説のディズニー映画のクライマックスのあの夜明けですからね。ディズニー映画史上最も象徴的な夜明けかもしれない、そんなガチもガチの大舞台にあのリクが立ってるんですよ。すごくない?単純にすごくない????この感動、やはり皆も
なんで???????
ってなったんでわざわざこんなクソ長い文章書いてるんですよね今。皆もっと言及して。
ファンタジア、まぁDヲタじゃない現代人は物好きじゃないとちょっと能動的に観る候補からは外れるよね。。。。。
今まで登場したディズニー作品はある程度大筋の解説はあるし映画を知らなくても(寧ろ知らない方がゲフンゲフン)って感じだったんですけど、ここに来てまさか映画の知識要求されるとは思わなかったんですよね。やっぱファンタジアは格が違うんだなぁ。
という事なので、皆さんも是非ガーディアンベル装備でチェルナボーグ討伐してみて下さいね!
勿論これでも大体文脈は一緒になるので(後のイベントもあるしね)そこはお好みでどうぞ。
私も迷ったけど今回は何故か丁度持っている装備という点とリクを俺自身がアヴェマリアなる事だしたかった欲と幼少期から持つチェルナボーグ→鐘→アヴェマリアに対する強い文脈が勝って夜明けの道ではなく教会の鐘にしました。
KH3では役目を終えて彼の手元からは離れてしまうのでこれが最後の(3D最後の鍵穴は"あの"キーブレードを使いますからね)、もしかしたらこの場所に辿り着くのが役目だったのかもしれない、そんなキーブレードを是非ともこの大一番に使ってあげましょう!
相手は3発殴れば勝てる相手ですので難易度に差はありませんし。
無印でチェルナボーグ登場にテンション爆上がって倒した後、先に進んだらどんどん闇の深淵に向かってる仕様に仕方ないけどその後必ず朝日が昇るって文脈がビバ!マジックで拗らせて以来幼少期からのDヲタの原点としてあり続けた人間なので「違う、そうじゃない。」してた人間程気付けるお話でした。
ファンタジアはキングダムハーツ必修科目だったんだ。どんな終わり方をする映画で、リクの進んだ道は何処へ続いていたのか。作品の進行にも注目して是非観てみて下さいね!