好き家の長い文章置き場

長文投下マン@YOUCANFLYx3が更に長い文章を書く時に使う奴。主に観た映画とか読んだ本とかの感想

【ダイマ】小説版鎧武外伝舞台斬月【ネタバレなし】

 

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観ろ。

 

 

最初は円盤は高いから小説だけでもって勧め方しようと思ったけど許されなかった。

 

 

舞台版は舞台という媒体を最大限に活かし、地上波の放送では真似出来ないカラクリが仕掛けられている作品だった

の対して小説も同じく「舞台の小説版」という媒体でしか表現出来ないカラクリが仕掛けられており、それがこの小説のメインテーマに大きく絡んでいくという特徴を持っている作品だったからだ。

 

余談だとこれが漫画では「立体が造れない造形」のライダーや怪人を出せる」という強みがあるって感じですね。媒体によって得手不得手は様々です。

小説という媒体にはあり、舞台には存在しないもの、それは地の文です。

 

 

ネタバレにならないように別の仮面ライダー小説版の私の感想からちょっと引用。

 

「痛みを痛いほどよく分かってる男が流星君を見て何も思わない訳がないんだよね。心の中でいつも損な役回りさせちまってすまねぇすまねぇってずっと流星君に謝ってて。でも弦太朗は無茶しないでくれなんて絶対に言わない。

 

 

口に出して言わないけど思っている事を地の文という形で赤裸々に語れる、言語化出来るのが小説という媒体の強み。

上の例は人物の性格や言動から来るものだけど、やはり人の手が加わってる作品である以上

表の作品で裏を語らないのは理由がある訳ですし

舞台の小説版はその裏の作品であり、特に今回の場合後発のコンテンツですから作品を構成する上で不要な情報ならば表で語られた重要な話であろうとも削るという芸当も出来る訳です。あとは映像だけではわかりにくかったところの解説とかね。

 

兎に角「舞台の小説版」というのを最大限活かまくった物語展開をしていき、この物語を通して一番魅せたかったものへと導いていく作品なので舞台版を知っておく方が素直に感動できる作品に仕上がってます。

 

あと単純に小説版はいきなり知らない人達(結構いっぱい出てくる)の話から始まるので、最初に登場するのがお馴染みの「あの人」な舞台版の方が素直に物語の世界に入りやすい形にはなってます。

 

 

 

じゃあ小説版の前に舞台版のダイマになるんですけど

ぶっちゃけ鎧武本編は観てなくて大丈夫です。

 

正確には舞台→鎧武本編という流れで入る人の存在がちゃんと認知された上で構成された物語です。因みにどんな構成なのかサラッと言うと舞台→本編をすると本編の一番盛り上がるところですごいサプライズを喰らいます。

 

今度は本編→舞台の人へダイマ


舞台とテレビ放送の違いはズバリ「目の前で」「生で」「演じてる」ことです。

 

 

貴虎、ないしは鎧武が大好きなファン達が8000円払ってきてくれる訳です。人によっては相当な遠征費も掛かるでしょう。それに応えるのはそのファン達が鎧武の後日談で一番観たいものを「生で」「目撃させる」事です。

特に鎧武には始まりの女なんて「見届ける」人がいましたね。劇場はそれに「なれる」場所だったのです。鎧武は「目撃する」という事をシリーズでも強く意識させられる作品じゃないでしょうか。

ライダーシリーズの先陣を切って舞台という媒体を盛大に利用し成功させたって一作品ファンとして誇らしくありませんか?

 

勿論今は円盤での鑑賞という形にはなりますがそれでも一番観たいものというのは生だろうが円盤だろうが不変のものでしょう。

 

 

舞台斬月が魅せたのは、鎧武ファンが一番観たいものだったんですよ。