好き家の長い文章置き場

長文投下マン@YOUCANFLYx3が更に長い文章を書く時に使う奴。主に観た映画とか読んだ本とかの感想

学園ものしてるフォーゼが好き

 

先日、「SFしてるフォーゼが好き」というクソ長文章を投下したのですが、フォーゼの好きなところ、まだ全然語り足りない!よし続きを書こう!と思いました。宇宙と青春、前回は宇宙をメインに語りましたが今回は青春にフォーカス当てていきたいと思います。因みに文章は相変わらず1万字越え。こちらの方が作品「テーマ」の話になるので当然前回よりも長いです。こんだけ書いたんだしもう平成ライダーのレポートは書かなくていいな(滅茶苦茶)

 

例に漏れずネタバレ全開です。映画の話題も出します(対象作品:MEGAMAX 、みんなで宇宙キター!アルティメイタム)。それから何度も言いますが私の独断と偏見だけで書かれた私の解釈と考察の解説をひたすら垂れ流すのであまり真に受けないように。

 

 

 

 

 

 

◯如月弦太「朗」

この名前、いいですよね。月と月に関する字が三つ、太陽の太があるまさにこの作品の主人公の名前だ。朗の字がこの朗なのいいよね。

間違えやすいから一話で名前をデカデカと書いて朗です!ってアピールしてるの大事。私もここで気づいた。未だに間違えてる人、現実で失礼な事やらかす前に郎か朗か気にする癖は付けといた方がいいよ。

苗字は2月...じゃなくて「月の如く」ですね。

そういえば、自分を月に喩えてる人いましたね。我望が太陽で、歌星が地球で。って。

弦太朗達の世代の地球が賢吾なのは間違いないでしょう。じゃあ月はメテオの流星君だから弦太朗は太陽だね!ん???でも苗字は「月の如く」なんだ?

弦太朗は月だと思いますよ。我望の代をそのまま再現すると勿論チグハグになりますが。

弦太朗は身体の弱い賢吾の代わりにフォーゼに変身します。戦闘は賢吾の指示を頼りにしてくれます。まさに地球の周りを回っている衛星みたいですね。

 

じゃあ太陽は誰かって?いるじゃないですか。我望と同じ、皆を同じ目的へ照らした大きな夢を持った彼女が。

弦太朗は壮大な夢を果たそうと輝く彼女を影ながら信じて待っている役目なんですよ。

 

 

仮面ライダー

SFの記事で実はマトモに言及してないんですよ。この単語。

その作品の「仮面ライダー」の定義は勿論作品毎に全く変わります。

フォーゼという作品の「仮面ライダー」は都市伝説として存在していて、それを学生達が拝借する形で誕生します。

その中で学生達が仮面ライダー」の定義とは何か?とその「名前」を問題提議をしていく話なのです。

この作品は怪人と「それ」の何が違うのか?という話ではありません。何故ならそもそも変身に使うスイッチは各々別の人間が互いの思想やアプローチから発明した全く違うものだしね。仮面ライダー仮面ライダー。怪人は怪人です。でも怪人なのにその容姿のまま仮面ライダーな子がいるし、怪人なのに(口に出さないけど)ライダーキックをする人もいる。容姿よりも各々「正義」と向き合ってどう態度をとるか、そしてその更に奥のその真意とは何か。の方が大事。そういう作品。

そしてこれは各々の「正義とは何か」の話であり「正義と悪」の話でもありません。少なくとも本編中に「過ちを犯した人」は沢山出てきますが「悪」は出ません。

そしてそんなフォーゼはSFです。変身ベルトは宇宙移動の為の「装置」なんですよね。その装置で変身したその姿単体はあくまで道具で変身したものでしかなく、全ては学生達が「自らの行い」と向かい合う事で初めて「仮面ライダー」になるんです。

 

☆フォーゼから仮面ライダーフォーゼへ

「フォーゼ」は元々歌星が賢吾に残した唯の移動用の道具です。弦太朗達ライダー部がやってる事は本来の用途じゃない使い方をしたものです。勿論唯の道具ではないことは以前の記事に書いた通りですが。

仮面ライダーフォーゼ」はライダー部の7人が繋がっていて初めて仮面ライダーになるのです。

弦太朗は一人で戦っていません。そして一人では戦えません。最初から彼は賢吾に戦闘中に「指示してくれ!」と頼みます。皆を信じて繋がっていないとコズミックに変身もできません。

しかしそれは弱いという事ではありません。一人ではできない事を皆で補い合って皆仮面ライダーフォーゼになるのです。皆で力を合わせれば1人の限界を超えられる。皆がもっと集まればいつか大気圏だって突破する力になる。それが仮面ライダーフォーゼなんです。一つ一つが積み重なり力になる。敵の「悪意」だって強さの糧にしていくんです。

 

 

・風城美羽

幼馴染みのユウキを除いて、天高生で一番最初に「ダチ」になったのが学園のトップだったというの面白いですよね。そして天下のクイーン。そのまま突っ走り最強の座を欲しいままにしてきました。クイーンフェス回のボーリング描写は後のゴルフ回の伏線になっていたとか(そんな事はない)

彼女といえばやはりプロム回。彼女の願いは「高校生活の最後に最高のエンドマークをつける事」。これ、何処かで見覚えがありませんか?

 

 

 

そう。前作のラスボス真木さんの「欲望」と一緒なんです!

周りに自分の価値観を押し付けたのと話がデカくなり過ぎただけで彼の願い自体は悪でもなんでもなくて普遍的なものなんですよね。これを美しく描き、肯定しているのはこの作品が全てを赦し、「和解」で終わる物語だからですね。

因みに弦太朗はネット版オーズにて真木さんと「ダチ」になろうとしてくれるんですよ。拒絶されちゃうんですけどね。

 

 

・大文字隼

彼がライダー部に入る回、弦太朗は父親の為にらしくない行動をしてきた彼を「賢吾もお父さんの為に頑張ってるから」と受け入れてくれりんですよね。側から見るとどうしようもない言動も表面的にでなく真意を見定めよというのはフォーゼでは何回も何回も飽きるほど何回も出てきます。OPでも「人の話だけで知った気にならないで果敢にタフにチャレンジ」とあります。

ところで彼は最初に友情のシルシを交わした時、弦太朗は変身したままで、パワーダイザーに乗ってたんですけど、後でちゃんと自分の手で「弦太朗」と友情のシルシを交わします。この作品、滅茶苦茶丁寧なんですけど(隙有ベタ褒)弦太朗がフォーゼの変身を解かずに友情のシルシを交わした子は後で必ず変身を解いた弦太朗と友情のシルシを交わします。そうして見ると後から入った流星君より遅い子が二人いるのは面白いところですね。

あと、コズミックステイツのフォーゼと交わしたのはユウキしかいないんですよ。

 

 

・野座間友子

彼女が7人の中でラビットハッチに合流するのは一番最後になります。自分のコンプレックスを恥じらいもなく暴露していくのいいシーンでしたね。コンプレックスをそのまま個性に、そして強みに。問題を起こしても周りの皆でカバーしていく。そうやって集まったライダー部で皆でずっと活動していったから。一つ一つのエピソードの積み重ねが物語の最後に弦太朗が理事長に出した答え、「青春銀河」へと繋がっていきます。本当にいらない回が一つもないんだよフォーゼ(隙有ベタ褒)。

 

 

・JK

前述の友情のシルシを結び直した一人が彼です。山羊座回はなかなか印象的でしたね。

この時点でまだ変身を解いた弦太朗と友情のシルシを結んでいない男がライダー部にはいるのですが。

 

ところで最終版OP映像はこの山羊座回で変わったのですが、サビに突入前「果敢にタフにチャレンジ」の箇所、当然ここの流星君が皆に馴染んでるだろうという半の視聴者の予想を嘲笑うかの様に彼を奥の方に配置して大杉先生を側に追加するという流星君を視線誘導の駒に利用して、馴染んだんだから変える所は全部ぶち込むに決まってだろここは新メンバーの大杉先生が増えるんだよ。と回答を出してきます。

ま、負けた。。。。!OP映像に初めて抱いた完全なる敗北感。。。。!!!!

 

前述の場面、一番手前に配置されているのが誰かというとJKと友子ちゃんです。多分視線誘導されてるので録画したものを5回も6回も毎日繰り返し舐め回すように観てた変態でもなければ(私です)全体像を把握するのは山羊座回より後になると思います。

これは見て貰った方が早いので画像を用意してます。

 

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JK、ギター持ってるんですよ。

 

音楽を挫折し、二度とやらないとケジメを着けた彼ですが、ゴッドとの友情は不変ですしその夢は本気で目指した本物なんです。「それ」を今も心の底から笑いながら握っているのは素敵じゃありませんか?

ここ、平成ライダーのOP映像で一番好きなところなんですよね。以上、平成ライダーのOP映像推し語りでした。

 

 

☆メテオから仮面ライダーメテオ

「メテオ」はタチバナさんが開発した唯の兵器です。それを受け取った流星君がフォーゼの活動を見てそのまま乗っかって「仮面ライダー」と自称します。ライダー部に潜入し、流星君独自の「正義の哲学」で戦っていますが勿論この段階では「自称仮面ライダー」です。

ライダー部との交流を通して彼の中で「正義とは何か?」を見つめ直して行きます。しかし、彼はこれまでやって来た事をただ否定し周りに懐柔する訳ではありません。

 

メテオストーム

やっぱり語るんじゃねぇか。システムとしての「それ」が言語化出来てないだけでこっち方面なら語れるぞ。

星・嵐・再・起は大遅刻かましてぴえんしてる顔がいい男子高校生相手にドヤ顔で与えた試練の解説する推しがかわいいと私の中で話題に。という冗談は置いといてタチバナさんの中の「正義観」が見えてくる回なんですよね。そして流星君はその試練に応えます。メテオは二人の「正義」が併さって生まれた「仮面ライダー」なのです。

流星君は変化ではなく進化します。それも一度ではなく何度でも。それでも「根っこ」のところは変わらないのです。何故進化できたかって?それこそ一人の人間の限界を皆と交流していく事で彼が突破したからですね。

 

・そして

弦太朗とダチになり、部の皆と和解しライダー部のメンバーに正式加入します。

ここで初めて唯のゾディアーツ討伐の兵器だったメテオは仮面ライダーメテオになるのです。

2号ライダーと正式に劇中で言われてるのも珍しいですね。

 

・そのあと

気付いてる人は気付いてるんですけどこっから「カウンセリングのフォーゼ、その時間稼ぎのメテオ」のフォーメーションになります。勿論特に誰がどうこう言ってる訳じゃないのです。

流星君としても根が真面目なので弦太朗を手に掛けた罪滅ぼしがありますし(弦太朗は赦したって言ってんだろ)そもそも流星君の方が強いので(弦太朗素のスペックは高いけど宇津木先生相手にアレなので流星君とまともに対戦したらまあ勝てないよね)(というかその後のタチバナさんの特訓でも裏かかされて負け越しで終わってる)

何も言わずにいつも積極的に強い方を引き受けて時間稼ぎしてくれます。校長先生にキレながら脇目も振らずにレオに殴り掛かってるのは名シーン。又、弦太朗を傷付けまいとフォーゼの肉盾にもなってくれます。

 

 

 

ところでこれ、弦太朗サイドはどう思ってると思います?あの弦太朗がまさか気付いてないとでも?

 

ヒントはコズミック回で復活し、流星君を助けに行こうと賢吾としたこのやり取り。

「地獄まで付き合うぞ如月」

「地獄なんかには付き合わせねぇよ俺がいる限りな」

これ、答えは小説版にちゃんと書いてあります。読んでね!

 

 

 

でも大丈夫です。何故なら彼は進化したから。全部背負って生きる。その覚悟があるから。その時のメテオ君、リミットブレイクマックスパワーしてるんですよね。

 

 

☆指輪の魔法使いから仮面ライダー

これは余談なのですが、実はこの人が「仮面ライダー」になった源流はフォーゼの「仮面ライダー」から来てるんです。

勿論僅かな時間の交流のみで、表面的にしか受け取っていないので「それ」はその先全く違う独自の解釈が生まれていく事になっていくのですが、白い魔法使いの手駒でしかない筈の「指輪の魔法使い」に別の名前と定義が加わったキッカケである事は意識しておきましょう。出自の作品が違うので言及こそ一切されませんが、白い魔法使いが干渉していない「もう一つの名前」は多かれ少なかれ終盤の彼の心の支えになってたと思いますよ。オメーの悪口だよジオウ。仁藤に「仮面ライダービースト」とかふざけた事言わせやがって二度と許さねぇからな。

...おっと口が滑ってしまった。これのお陰で脱落が早かったし、あの作品は私にはもう関係ない存在関係ない存在。

 

 

☆部活発足

気を取り直して話をフォーゼに戻します。

 

部活としてスタートしたのは賢吾がライダー部の皆を認めたからになります。

賢吾が皆を認めて、部旗を月面に立て、正式に部活として発足します。満を持してOP回収されるのもいいですよね。12話でやっていい演出じゃないよそれ。その地点では過去の話なので最終版OPに流星君は混ざりません。

フォーゼを表すシンボルはこの部旗に描かれたライダー部のマークなんですよね。好き。知らない人がパッと見すると自己主張激しいマークに思われますが実はそうじゃないって事この作品のよくあるところ。

ラビットハッチ崩壊の時、弦太朗はこの旗だけはと抱えて逃げます。所属の旗って大切なものなんですよね。また作り直せばいいとかそういう話ではないのです。

 

 

◯天高生の所属

・クラブ活動

今作では学園ものだけあってライダー部を筆頭にアメフト部、チア部、フェンシング部、水泳部、天文学部、写真部、合唱部、美術部、陸上部、落研、キックボクシング部、新聞部、(アウトドア同好会)と色々出てきます。見事にバラエティに富んでますね。

ライダー部発足後、暫く世界観の説明の為か天高の他の部活動に焦点が当たります。学校が作られた目的の割に意外と理系ばかりが集まった学校じゃないんですよね。

その中で本人の器用さは抜きにガチ文系のあまり体力の無さそうな所属のところから幹部怪人が出るのは楽しかったですね。そもそもホロスコープスは理系メインの集いですが。レオくらいじゃね体育会系の人って。

 

・宗教団体

ライダー部が怪人退治の自警団として奔走してますが、やはり生徒はパニックに陥っています。保護者からしょっちゅうクレーム入れられてるみたいです一般生徒も唯黙って学校生活を送ってる訳ではないようです。そんな中現れてもおかしくないよね。宗教団体。理事長達がやってきた事はやはり彼らを縛っていたんですよね。

 

・生徒会

いつになったら学園もの名物、学校を牛耳る生徒会(ファンタジー)が出るんだろうなという視聴者の期待をゾディアーツ騒動に巻き込まれて狂ってしまった犠牲者という形で出してきたのは意外性もあり面白かったですね。天高の生徒会はごく一般的且つ良心的な活動をしていた裏づけにもなります。

 

◯弦太朗は「目」がいい

私はそれを「かもしれない運転」と呼ぶ。バイク乗りヒーローだから何も問題ないな!

弦太朗は兎に角目がいい。かもしれない運転をし過ぎて疑い癖はあるけれどもそれにしても鋭い観察眼を持っています。観察眼だけではありません。美醜は関係なくその人が一番本気で想ってる事、一番本気で頑張っている事を一番に思う価値観を思っています。基本的にフォーゼは止める事はしても否定はしないんですよね。

 

 

◯モブが生きている

クイーンフェスの1回目の投票にて珠恵とジュンちゃんを除いた票は

 

・風城美羽 二票

・城島ユウキ 三票

 

弦太朗と賢吾がユウキに票を入れているので不明枠が一票になります。

単純計算だと美羽先輩に入れた天邪鬼二人とユウキに入れた物好き一人がいる事になります。

普通に考えたら美羽先輩に入れたのは隼先輩とJK、ユウキに入れたのは友子ちゃんになりますね。人数もぴったりですし。

 

しかしこのエピソード自体は、クイーンフェスは美羽先輩の逆転大勝利で終わりますが、実は......と続きがあり、後にもう一人登場人物が存在していた事が発覚します。同じクラスの渡辺君です。

 

渡辺君ではピンと来ない気がしますが彼は合唱部の部員と言えばわかるでしょうか。そう、あのユウキの一見ふざけたパフォーマンスに「クイーンとして見るなら無しだけれどもあの度胸はウチに欲しい人材だ!」と部長の阿部君に助っ人として推薦してた彼です。

ユウキのパフォーマンスに好意的な意見を持った物好きいたよ!

 

あれだけ大勢の人間が集まっていると珠恵やクイーンフェスの空気そのものが好かない天邪鬼もいればユウキに対して好意を抱いた、好意でなくともブーイングとは違う「何か」を抱く物好きが湧くのは当然です。

折角だから合唱部達がハモりを入れてくれ、本番ではピアノ伴奏を付けてくれます。

ユウキのパフォーマンス自体は何も変わっていないのに、ブーイングの嵐からスタンディングオベーションに変えてしまったんです。園児皆立ってましたね?

 

 

 

ハイ人の話だけで知った気にならないで果敢にタフにチャレンジー

この話はフォーゼのテーマの象徴でもあるんですね。しかも弦太朗は見守っていただけで何もしてないんですよ。

 

そういえば話が合唱部の話に移ってましたが、クイーンフェスの美羽先輩に入れたのは誰?って話でしたね。単純に天邪鬼を割り出せばいいんですよ。JKと友子ちゃんです。

 

実は珠恵勝利確定かに見えた時、松葉杖をついた美羽先輩が王者の帰還を果たし、番狂わせが起きた時この二人が悪い顔してますので見返した時気にしてみてください。

因みに隼先輩はまだ父親に応えようと頑張ってる最中です。彼はそんな天邪鬼でも裏で父親を裏切れる程器用な人間じゃないです。勿論これが隼先輩のいいところ。

 

 

◯如月弦太朗が高校二年生の時に貰ったクリスマスプレゼントは何か

 

クリスマス回といえばこの回にはもう一つ忘れてはならない一大イベントがあります。

 

 

 

 

 

 

そう、メテオ初登場回です。

朔田流星のライダー部への本格的な接触は新学期に入ってからの次の回になりますが、メテオに変身した姿は先回りして登場してるちょっと変わった演出ですね。カイザ かな?中身一回死んじゃって入れ替わってるのかな?

まあ単純に弦太朗の「あいつ一体何者なんだ?」からの次回予告で「朔田流星です」、流・星・登・場でオチにしてるだけななでしょうけどね。この作品、当然のように次回予告をオチに使うんだよな。しかしそれにしても流・星・登・場ってもライダー至上最も直球且つ見返す人が何話から吉沢亮登場なんだ!ってわかりやすくて有難いタイトルしてる割にメテオの登場自体は一つ前って若干不親切な気がしないでもないですが。(Wikipediaのキャスト欄見てくれ)

 

ロマンチックな事を言うとここでの邂逅は、もしかしたら頑張ってる弦太朗へ神様がプレゼントしてくれたのかもしれませんね。文字通り空から降ってきて。やっぱり年頃とはいえまだ学生。クリスマスなんだからご褒美があったっていいじゃない。それも彼がとびきり喜ぶ一番嬉しいプレゼントを。

勿論、これが良縁になるかはどうかは本人達が頑張っていかないといけない訳ですが。

 

後になって弦太朗がそういえば彼に初めて会ったのは年明けじゃなくてクリスマスだったんだな。って回想してくれたら素敵だね。

 

 

◯「本物の流星」

先程は次回予告でオチにしたかったんだろうと雑な事言いましたが、何故メテオの姿で先に顔見せしたかというとこれは簡単。メテオの姿の時が本物の流星君だからです。変身してない時が猫被りという仮面を被り、変身してる時こそが素の朔田流星というのは面白いですね。

弦太朗は本物の彼にずっと会いたがってた訳ですが一番最初に会った彼は本音で話す本物の流星君だった訳です。

彼がライダー部に潜入が出来たのは「弦太朗を殴ったから」。今後の展開が予感されるエピソードですね。

 

とはいえ根っこは友情が重い彼なので基本的にサークラ恐怖症です。

潜入した次のエピソードでいきなりマグネットステイツ回の弦太朗と賢吾の大喧嘩に巻き込まれてしまうのは些か展開が早過ぎではないか?

 

因みに友情が重い癖に二度と友達を作らないと誓った彼の覚悟がどれほどのものだったのか。それは修学旅行回にて明かされます。

クラスメイトの優希奈ちゃんを見て開口一番「誰?」って言うんです。

あれは視聴者の代弁であり彼が今までどれだけ周囲の人間と壁を作ってたかの描写になってんです。勿論元々はノリも良く気さくでコミュ強な性格ので大分無理してたでしょう。

因みに彼は劇中彼女を「高村君」と呼んでますが後日談の小説版ではちゃんと「下の名前」で呼ぶんですよ。

 

◯マグフォンの開発、弦太朗がしたことは?

弦太朗がした事は「身体の弱い賢吾をカバーする為に流星を(無断で)サポートに回した」

 

まぁ無断は良くなかったしそこは流星君がギルティだと指摘してますね。

しかしよくよく考えると7人から8人にフォーメーションが変わっただけでいつもと何ら違うことはしてません。

「賢吾が身体が弱くて負担になるなら俺が無理でも誰かがサポートに入ればいい」

なんて物語の結論、青春銀河に繋がりますね。この時点で既に結論に辿り着いてるのに面倒事になるんです。何度も何度も失敗してその答えと本気で向き合って初めてこれがやっぱり正しかったんだ!と証明できるんです。一面的は話で終わらせないのはフォーゼらしいところ。

 

 

◯「師」の存在

園ちゃん先生の話は小説版フォーゼの感想にて全部書いてます。あそうそう。スコーピオンゾディアーツ戦の二回リミットブレイクしたら威力は増すけど暫くモジュールが使えなくなる「ライダーロケットドリル大大宇宙キック」は最終回、サジタリウスとの結着に使われた「卒業キック」の伏線です。気づきにくいだけで種まき自体はしれっとやってあるのがフォーゼという作品です。

 

二人目の担任の先生、宇津木先生も悪い人ではないのですがちょっと困った先生でした。

実はこの話、面白い事をしていて宇津木先生と弦太朗のキックボクシング対決と同時進行でヴァルゴとメテオ君が対決してるんですよ。

終盤、ヴァルゴの正体を疑問に思ったメテオ君がこの回を画像付きで話題に出します。

制作スタッフさんによる「この回に伏線を貼ってるから余裕があったら見返してみてね!」のメッセージです。

 

そして我らが顧問、大杉先生

彼が物語の確信を知るのは新学年に入ってから。そこからの大覚醒は素晴らしいものでした。レオから生徒を守る為に生身で庇うシーンなんて感涙ものですよ。

役者さんの学生時代のエピソード込みで今まで文字通り真っ暗な灰色のスクールライフを送り続けていた彼ですが、最終版OPでは明るい日差しの中笑顔で廊下を歩いているの、いいですよね。

 

彼が長年の教師生活が報われるのは平成ジェネレーションFINALにあります。彼に声を掛けた弦太朗の台詞、しっかり聞いて下さいね。

 

 

◯2012年3月11日

私は基本的にリアタイ勢に向けられた演出はあまり評価しません。何故なら以前も言ったのですが真の作品評価をする人間は後に見返す当時男児だった「大人」であるべきだと強く確信しているからです。

但し、「有・終・輪・舞」のソレに関しては例外で多大に褒めます。ベタ褒めします。ウィザードや鎧武なんかもそこら辺が理由で点数上げてます。いや本当フォーゼ26話の関係者スタッフの皆様自分の仕事誇っていいよと常々言ってます。

そうです。この回の放送日は上記の日付なのです。因みにコロナ禍にあった2020年の3月頭にYouTubeの公式配信にてこの回が偶然にも配信されていました。日付こそ違いましたが半月程配信のスタートを遅らせた結果、時間の流れが半年違う現実と季節が唯一重なる回をこの回にしたのです。

 

あの災害から丁度一年、まだ痛みも生々しく残ってる中で迎えた最初のその日の朝に放送したそれは、何だったと思いますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうか、卒業生が皆無事に卒業出来ます様に」

というメッセージだったのです。

 

 

 

私は11年度卒なんです。幸い卒業式はありましたが、卒業旅行なんてのは当然なくなって、やっぱり入学式とか出来なくて、授業も遅れて。

だから初めてフォーゼを観てそのメッセージを受け取ったのは5年以上経ってからでしたがすぐに「それ」に気づきました。

登場人物は皆「何があっても卒業式はやるから」と強く言います。弦太朗達も去りゆく卒業生の晴れ舞台を守ろうとします。あの校長先生だって空気読んでスピーチの練習してたんですよ。

 

自分達の代はダメだったけど、どうか今年の卒業式は何事もなく無事に行われます様に。フォーゼをリアタイで視聴はしていなくても「その日のあの時」私も全く同じことを強く願っていたからです。

 

まさにそのXデーに放送する事を迫られた時この作品の関係者スタッフの皆様は、

今を生きる子ども達に大人として普遍の、そして不変のメッセージを贈る事を選択したのでした。

 

いつの年も晴れ舞台は何事もなく無事に終わって欲しいものです。時を越え子ども達がそのメッセージを受け取っても変わらない願いが刻まれているのです。

 

 

 

◯「例の場所」は定期的に登場する

弦太朗と賢吾が初めて出会った時、弦太朗は橋の上から飛び降りました。

弦太朗達がピカピカの三年生になった時、弦太朗はもう一度同じ場所から飛び降ります。そしていつかのように捨てられたものを探して拾います。

この時が一話と違っているのは賢吾がライダー部の皆と協力して川の中に入って捨てたものを探しているんです。色々と心境やら変化が見られますね。

 

因みに劇中「その場所」は何度も繰り返し登場するのですがそれは勿論この場所が「とても特別な場所」だからです。

 

 

◯弦太朗がやってきた事

前作仮面ライダーオーズでは最終回で映司が手を繋いでいく事に気付きました。

 

今作仮面ライダーフォーゼは弦太朗が初めて「自分一人で」変身した時、賢吾に「指示してくれ」と頼ってきます。友情のシルシは手を繋ぐことから始まります。

 

弦太朗は映司が最終回で一年掛けてようやく手に入れたものを1話から持ってるんですがこれ否定する流れだったら最悪だったな!

 

 

勿論そんな事はなくてフォーゼという物語は「手を繋げ」と物語が始まる前から刻まれている物語なんです。歌星のメッセージですね。

 

コズミックステイツ覚醒回、ここで賢吾は弦太朗に「君がやってきた事は正しかった!」と伝えます。

 

フォーゼは最終回の通り、1話で「主人公の言動」という形で出した命題を問題提起し、正しいと結論付ける話です。

その1話で出した命題がそのまんま前作の「答え」だったというのは何というか。

 

シリーズのバトンの受け渡しが綺麗だなって思う箇所です。

 

 

◯如月弦太朗君の恋愛事情

序盤の弦太朗は結構猿です。

三浦君の一件は弦太朗は俺も彼女欲しい!で締めます。これはこのタイミングでMEGAMAXを観てくださいという合図です。

そしてこの回を境に弦太朗の猿ムーブが形を潜めます。修学旅行回では優希奈ちゃんに猛烈アタックされた時の弦太朗はどこか悟りを開いた様子になってます。

勿論路線変更でも何でもなくそのMEGAMAXで弦太朗の身に何かがあったからです。

 

男児向けで恋愛ものってそんな需要ないし外伝の話にするのは賢いなと個人的には思います。別に井上敏樹の悪口とかじゃないですけど。カブトのクリスマス回は超よかったよ。

 

ところでMEGAMAX ってオーズライダーはいつかの明日を見て終わるのですが、フォーゼライダーは全員泣いて終わるんですよ。

弦太朗はなでしこと別れた事

なでしこも同上

そして流星君は本編の通りです

 

そしてなでしこはみんなで宇宙キターの弦太朗の活躍をXV2から聞く事で彼に会いに行こう!と笑顔を取り戻すのですが、勿論そんな事は知らない彼女の安否さえわからない弦太朗のその顔から笑顔は取り戻せていません。

 

FINALはフォーゼ組の会話からアルティメイタムの直前だと明かされます。彼が笑顔を取り戻すのは一番最後になるんですね。映画版フォーゼ三部作は弦太朗が笑顔を取り戻す為の物語と見てもいいでしょう。映画を観に行くヲタクは映画を観に行くので三作に強い繋がりを持たせるのは正しいです。

 

 

◯歌星賢吾君の恋愛事情

弦太朗の話もしたし一緒にこちらも。

フフフ......私のライダーで一番推しカプは賢ユウ。

 

弦太朗は非常識だから恋愛も宇宙規模になっちゃったけど

そもそもユウキの王子様になれる男は宇宙規模な奴に決まってんだろ。

この二人、お互いの存在をリスペクトしてて、プレゼンターに会いに行く人間の代表になろう!と生涯の夢が同じ方を向いていていいよね。いい。

 

まぁ、賢吾君には折角人間になれたんだから人並みに人間って奴を謳歌して欲しいなってのが私の願い。

 

 

◯「歌星賢吾」という男

コアチャイルドとしてではなく「歌星賢吾」としての話。

彼の身の上話は事件の後、改心した江本教授が歌星の親戚を頼って息子だと偽って彼を預けたという設定です。勿論親心というのは知りません。そして高校生で既に一人暮らしをしています。江本教授とまともに会話したのも劇中修学旅行回になります。

あまり人間的に育てられていたかと言われると疑問に思います。

人間らしさを手に入れたのは本人も言っていますがユウキや弦太朗、ライダー部達と交流してからになるのです。

そんな彼が胸を張って「人間の代表」になる訳です。人間らしさを与えてくれて、そう彼に背中を押してくれた親友がどれだけ大切だった事でしょう。

 

 

◯だろう運転

知らない人に説明するとこれはわたしがは朔田流星に付けた渾名です。

彼のあまりにコメントにし難い奇行の数々をアホまでは行かないし、間抜けまでは行かないしと......何とか言語化しようとして天から降り注いだ単語です。お前本当に最推しライダーがメテオかよ。

 

vs蟹座、メテオストーム回の彼は酷かったね。あそこで変身解く奴があるかよ。

vs牡羊座も酷かった。山田君がもし杉浦君だったら弦太朗殺し損してたよ君。

vs牡牛座なんて最悪だよ。敵の言うこといちいち信用してんじゃないよ。

vs双子座は......まあお陰でユウキに変に嫌われちゃって可哀想だったな。

 

弦太朗はかもしれない運転だからな。

 

 

実はこのだろう運転、誰に対して一番強く発動してたかというと歌星賢吾君。

弦太朗に手を掛けて、彼から「君を許す事は絶対にありえない!」と罵倒され

流星君は絶対に彼から許されることは無いだろう!って決めつけて諦めてたんだね。

フォーゼという物語の結論は「赦し」。

賢吾は前から流星君の事は赦していたのです。

 

 

◯名前で呼ぶという事。

弦太朗から下の名前で呼んでくれと散々せがまれるのを拒絶し、あれ?でもユウキの名前は下の名前で呼ぶんだ?と周りに突っ込まれまくります。

弦太朗と「ダチ」になったところでこのやり取りはナリを潜めますが、中盤彼は思わぬ形で掘り起こされる事になります。そう。流星君が正式にライダー部に入ったのです。

修学旅行で二人きりになる時間が出来るのですが流星君の発言に彼が

「賢吾か。前は歌星君だったのに」とボヤきます。それに対して流星君は

 

「もう次郎の様な人間を生み出さないように」と返します。

 

歌星賢吾君、この会話で流星君の自分への好感度パラメーターがMAXに向いてるの気づきます。

こ、こいつ何てナチュラルド天然自覚症状無しムーブしてるんだ!!!!

 

ところで修学旅行後半は石柱攻防戦の為に男3人で宿で緊急に練ったフォーメーションなんですけど

弦太朗賢吾、流星ユウキのチーム分けでも良かった訳です。ユウキと流星君が問題なく仲良くやれてるのは(そうか?)映画村で賢吾も見てる訳ですし。どうしてまだ二人きりにしても大丈夫か心配な流星賢吾って組分けにしたんでしょうね?まぁ宿で作戦を練っている間他二人は兎も角流星君サイドは何も考えてなかったのは濃厚でしょうが。まぁ有能軍団なので戦闘中は割り切り出来るでしょうけど移動中にストレス抱えられたら可哀想ですしね。一番心配な流星君は問題ないか。あの騒動の直後に同じ部屋で寝て油性ペンで寝首を掻かれるかもしれないとか露とも思ってなさそうだし(作品がビルドだったら間違いなく掻かれた)。

 

しかし、後からノコノコやって来た流星君が滅茶苦茶ドラマティックな展開を経て自分より先に弦太朗を下の名前で呼ぶの先越されたというか本来のコイツ、割と馴れ馴れしいな!?ってなってる賢吾君可愛いね。

 

実際は(ミスかな?)違うシーンでポロっと出ちゃうんですけど呼び方を下の名前に変えてくれたのはやはり地球を旅立つ時です。そこで初めてお互い生身の姿で「友情のシルシ」を初めて結ぶんですよね。最初からずっとそう言ってた通りやっぱり弦太朗は下の名前で呼んで欲しかった。

 

 

◯理事長を「赦す」事

賢吾の手紙で弦太朗は「恨んではダメだ」と気づかされます。それはかつて自分が流星君に斃された時、自分が皆に伝えた事です。「殺された人間が許しちゃったらしょうがないよね」

理事長との最後の戦いは「赦して止めて和解する」ための戦いです。

「卒業キック」、ライダー部一人一人が天高で自らが学んだ事を伝えて(ここのセリフ、仮面ライダーフォーゼという作品が一年間何回も何回でもやってきてずっと積み重ねてきた事の総括なんですよ)、代表として弦太朗が理事長との決別の一撃を送る。斃す為でなく止めて天高の自由を掴む為に。そして赦して理事長と「ダチ」になる為に。勿論理事長の長年の願いを砕いてしまう訳ですがそれはあくまでも妥協の話。見ている方角は弦太朗も一緒なのですから。

この一撃は弦太朗じゃなくて、そしてライダー部のでもなくて、天高の全員によるものなんですね。だから限界を超える限界の一撃が与えられたのです。弦太朗一人では決して勝てませんでした。

ライダーロケット大・大・大宇宙キック、一人の力では小さくても皆の力で一人の限界を超えてもっともっともっと強くなる。

一年掛けて出した命題の証明です。

 

因みに弦太朗の想いの一撃はコズミックステイツの時にライダーキックでちゃんと理事長にぶつけてるんですよ。

 

「ダチ」になるという事は相手を赦して受け入れる事。しかし間違った事は止めていいんです。自分が間違えた時は誰かが止めてくれる。手紙を残してくれた賢吾のように。そうやって青春銀河は渦巻いてもっともっと人は強くなれるんです。

 

◯物語の結末は城島ユウキの「夢」に帰結する

何故なら「人類の代表」として宇宙へ皆を連れて行くのは他でもない「声」が聞こえる彼女の夢だから。

フォーゼの物語の土台の主役は賢吾とユウキです。彼ら世代のお話はこの二人の出逢いから全てが始まります。弦太朗は乱入してきた人なんです。

 

物語の最後は新たに蘭とハルを加え「宇宙仮面ライダー部」を発足します。月に繋がる「ゲート」はもうない。今度は自分達の力で大気圏突破を目指して。

 

そして、後日談のMOVIE大戦アルティメイタム。こちらの映画も例によって本編から独立したエピソードです。ライダー部全員社会人ですからね。彼らの青春のあの日は本編を卒業してしまったらもう過去のものなんです。人生で一度しかないその一瞬をちゃんと終わらせたのは流石だと思います。そして本編中の問題提議してきたものの「答え」のみを描いているので色々とネタバレこそされてはいますがウィザードしか観てない人にもすんなり内容が頭に入ってくる話じゃないですか?仮面ライダーフォーゼを観てください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

......うん。まだ書けるな。(終われ)