好き家の長い文章置き場

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【感想】くるみ割り人形と秘密の王国【もっと斬新さを】

 

くるみ割り人形と秘密の王国 (字幕版)

くるみ割り人形と秘密の王国 (字幕版)

 
チャイコフスキーの最強ブランドで新しい風を作ろう、第2の眠れる森の美女になろうとしているのか?と期待したら別のチャイコフスキーが関わるディズニー映画の方だったからガッカリしたという話。
 
 
結論を言うと眠れる森の美女ではなくファンタジアだった。
確かに途中ファンタジアを思わせるシーンが挿入されており、その芸術性の高さは圧倒されるものがあった。
 
でもファンタジアを真似ただけのものでしかなくそのスピリッツを作品から感じられたかと言えば答えは正直ノーである。
 
 
個人的に気になったところがある。
最近のアメリカ映画はその時代そんな肌の人間いねぇよ!お前ら自分達の歴史を逆に自ら否定するようなそんなんでいいのか!って舞台設定のものでさえ黒人を起用している。
今回の物語の舞台はファンタジーなので肌の色はまあどうでもいい。筈だった。
 
劇中で登場するのは古典的なバレエばかり。黒人が白いチュチュを纏うのはいいことだと思うけどそれで満足するのか?というのが正直な疑問。今回は「他人のものを纏っただけでは本当に自分達の回復になるのか?」の纏ってるものが歴史が文化芸術にすり替わったのだ。
 
だったら黒人音楽にアレンジされたチャイコフスキーを流せばいいのではないか?
白いチュチュを纏った相方に黒人文化の服着た白人出したっていいんじゃないか?
チャイコフスキー×黒人文化でもっと素晴らしいものは生み出せるのではないのか?
唯白人文化を纏った黒人を出しただけでそれは本当に現代的芸術と言えるのか?
 
私はギリシャ神話をアメリカナイズされまくったディズニーの「ヘラクレス」が大好きだ。
黒人音楽も詳しくはないが知っているものはどれも強く魂を揺さぶられる素晴らしいものだ。
黒人文化との融和、表層的に取り繕うのではなくもっと深いところを突っ込んで本質を引き出した芸術を見せて欲しい。
 
ファンタジアはステレオがまだ布教してない時代、アニメ映画なんてまだ息の浅い時代に古臭いクラシック音楽を融和させたという「誰が観るんだこんなもの」と批判を食らいながらも斬新なことをして生まれた最高のディズニー映画であり芸術作品なのだ。
 
きっと今とは違うアプローチが出来れば新しく素晴らしい芸術が産まれると信じているのだけれども。